「essence」




模倣が本物を超える事はない

どれだけ完壁にコピーしても

全く同じのように見えても

どれはどこまで行っても

本物になることはできない

悲しいかな それが真実



いつまで経っても一つ足りない

どれだけ頑張っても何かが足りない

だってそれを創っているのは

本人じゃなくて違う人



本人だけが持っているエッセンスだとか

どこか伝わる力だとか

オリジナルを創りだす人には

その人特有の”何か”があるもの



ところがマネだけをしようと切り取る者には

そこが決定的に欠けている



人間にはその人にしかできないことが事実ある

その人しか持っていないものがある



かつてある外国の一将校が言ったという言葉が

思いだされるんだ

おぼろげだけど引き合いに出してみる



部下の一人がこう言った

「相手の敵兵は私たちの兵の人数を

 はるかに上回っています」と

内心少し恐れを抱いていたのかもしれない



そこで将校はこう言った

「敵兵と我々との間には決定的に違う事がある。

 それは敵兵の中には君がいないということだ。

 我らには君がいる」と



決定打は他ならぬ君だと励ました言葉に

学ぶべき事が多くある



人を地図の上からだったり

数字の上からだったり

ひとくくりにした結果が

この争いや行き詰まりなら

その人間にしかできない事が確かにあることに

もう一度立ち戻ってみる



君には君にしかできない使命があり

僕には僕にしかできない使命がある



それは 夢想や観念という

吹けば飛ぶような類(たぐい)の言葉じゃない

厳しき現実でしかないんだ