秋の夜は少し優しい
鈴虫の声がやわらかに響く
それだけで生きているという事を
感じられるよう
寝そべって
静かに息をする
たったそれだけ
それだけの事なのに
最大の贅沢をした気分にさえなれる
明日来るであろう
朝の変わらない光を
予感させてくれる
束の間のゆっくりと過ごす時間が
明日を迎えてもいい気にさせてくれるんだ
すぐにうつぶせてしまうこの僕を
明日へ向かわせてくれるんだ