あ
「春桜」
薄曇りの空
今にも泣き出しそうな空の下(もと)
桜を見つめていた
心からははしゃげず
心いつも今も大変な君の元に飛んで
せめてこの綺麗な桜を、と祈った
綺麗なものを君と見たい
でも綺麗なものは
悲しい時に見ると
思いが吹き出して止まらなくなることも
知っているから
見せたいと見せない方がいいのかなを
迷っていた
だって わがままだけどさ
君をもう悲しませたくない
これ以上
薄紅色の花びらは
思い巡らす追憶の色
胸しめつけられると共に
新しい出発のための勇気もくれる
いろいろありすぎているね
これからもいろいろあるんだろうね
でも最後は笑えるよ
こうして花咲かせている桜の木も
冬を越えてこうして咲いてる
冬の間に誰が今の姿を想像できただろうか
堂々と自ら咲かせている
その凛とした花弁ひとつひとつが
この心に希望を灯してくれる
傷だらけの心を抱いたままの春だけど
今年も桜が咲きました
この姿は他ならぬ
あなたの姿なんです、と
ありったけの思いを込めて
あなたに伝えたい
運命の春が来るまで
あなたと戦いたい
そう 舞い散る桜の下
ひとり誓いました