「秋の風」





空気に秋の香りがまじり

僕をいざなう



この気持ちを

たとえ怒りと呼ぶとしても

その否定の思いさえ

焼き払ってしまうだろう



後は秋の風に任せればいい

少し冷たく 



大地を 



焼跡を



うまく冷やしてくれるから



自分の決めた方向を曲げるくらいなら

僕はいなくなってしまったも同然



存在し続けるために

見える事のない心の中での



葛藤を



思考を



やめない



それが僕なりの覚悟

静まる事のないものを宿したまま

生きるという事を見つめると

他の人とは同調できずに孤独になる



でもそれは同時に

同じく孤独な人と

同じ場所に立つという事だから



寂しくなんかないよ

誰に理解されなくても

一人に理解されているから



僕は今日も

僕を生きる事ができている