空からこうして舞い降りる雪はきっと

雲の向こうにいる無数の天使たちが

一人一枚づつ

引きちぎった自らの羽なのだろうか






ほんの少しの一瞬の痛みと共に

この世界を銀色に染めてく

小さな小さな痛みとはいえ

こちらからは見えない場所で

手を振って笑っている強さは






時間を止めた






決められた時にためらいもなく

羽を引き抜く姿に

なぜだろう 涙こぼれそうになる






銀世界に隠された美しさの秘密は

この痛みへのためらいのなさから

来るのだろうか






雪が他の何ものでもなく

結晶を象(かたど)っているのは

無償の心を託されているから






笑顔という綺麗な声の響きが

目に見えるようにと

いつも雪は結晶を象る

どんな冬が来ても 変わらずに






雪が羽である頃

大気の優しさを覚えて

包み込まれては粒になる

そこには穢れが存在することなく

全くの純粋の世界





雪の結晶から読み取れるのは

羽だった頃の真実と希望





すべてを忘却してしまいそうな時に

何もかも思い出させてくれる勇気

そして光という 

本来 闇が存在する意味

この羽にはそのすべてが書いてある





生きる上での最高の言葉のすべてが







ここにある