あ
君の涙を拭えるのは
君のその手だけじゃない
君の孤独を塞ごうとしているのは
その胸だけじゃない
なら もう少し前を向いて
歩けるような気がしているのは
きっと私だけじゃない
優しい言葉を欲しがれば欲しがるほど
突き放してみたり
こっちを見てて欲しければ欲しがるほど
冷たくしてしまうのは
この心がいつも君を見ている証なのだろう
遠ざけるほど
その事を動かぬ証としてしまうのは
なんて悔しい
そう思う反面
本当の自分に気付いて欲しいのは
人としてある限りの叫びなのだろうか
うつむいていれば「前を向いて」と言われたい
自信がなくなった時には
「自信を持って」と励ましてほしい
その願いがそんなにいけない事?
そう思う事さえ
否定されかねない貧しい時代にあって
それを思い続けることは
難しい事だけど
そんな難しい時代だからこそ
欲する願いが輝いてくる
もし 落ちこんだ時
誰かに話を聞いてもらいたいと思う事が 願う事が
すぐに叶う時代だったら
この思いも その思いも
こんなに
煌びやかな存在たりえなかったかもしれないから
ある時代に
願った事に気付かず叶った事も
叶い辛い時代になったと
心が知ってしまったのなら
叶った時に喜びも
叶いやすかった頃より
大きいんだと決めること
この時代に生まれた嘆きばかりが
強調されているけど
この時代に生まれた特権だって
もう少し強調されてもいいんじゃない?