薄氷を踏むような気持ちで

今日をまた送ってる僕








太陽に照らされるたび

この足元の氷が溶けてしまわないかと

怖がってばかりいた








凍える事の方が普通になっていたから

暖かい事の方を不思議に思いすぎていたんだ







凍えて 怯えて 小さくなる事の痛みは

もはや痛みとして感じられないほど

当たり前になっていた








いきなり暖かい事 怖くない事伝えられても

まだ信じられずに

縮こまってばかりだったのは

それが嘘だった時の事を考えたから








声が嗄れるほど大声で泣き続けて

声を失ったような気がしたのは

頬から涙の筋が消えなくなってしまったから








心の傷跡も 傷が塞がった後もなお

消える事はないから

見てしまうたび

記憶が蘇る

そんな世界を生きてきた








そうして消えなくなった痕を

花と咲かせて 

鳳と羽ばたかせると決意したあの日

何でも背負う事を決めた








それがたとえ世界でも

世界中の悲しみや 悲鳴や 涙であっても









足元を確かめてみれば

薄氷の下は冷たい水なんかじゃなくて

あたたかな緑の果てしなく続く

草原だった