あ
寝息を立てる君の横顔をかすめるように
そっとラッピングされた箱を置く
赤と緑のクリスマスカラーの箱は
今年一年がんばった君へのごほうび
君に気付かれないように
僕なりに一生懸命探してみたんだ
お返しなんていらないから
明日の朝 どうか箱を開けて
そっと微笑んでみてよ
それが僕にとっての何よりのご褒美
何度も君の隣で迎えるクリスマスは
本当は今日に限った事じゃないんだ
君の隣にいられる事が
サンタさんのくれる豪華な箱より嬉しくて
心の中でいつもはしゃいでしまう僕を
君は笑うかな
箱を置いた後 君を起こさないように
抜き足差し足で部屋を出る
クリスマスカードを添えるのを忘れた僕は
いつもの事ながら自分の事を
つい笑ってしまいそうで
グッとこらえた
君を起こしてしまうといけないからね
そんな中 一人思う
僕が僕自身を大切にできない時
君は泣く
君が君自身を大切にできない時
僕が泣いてしまうみたいに
ふいにそんな事を思い出すと
なんだか胸がいっぱいになった
さっきの無邪気な思いとは裏腹に
妙に神妙な気持ちになった
その瞬間 君の寝顔が目に入り
改めて見つめ返すと
苦しいほど愛しさがあふれそうになった
やっと自分より大切なものを見つけた
そう確信したんだ
ねえ 僕のサンタさん
毎日こうして
どんな豪華なプレゼントよりも
素敵な宝物を僕の心におくれよ
これからも ずっとね