「終末の足音」




終末の足音は

もはやここまで来ると鳴りやむ事もなく

真っすぐに君に近づいていく




君と同じ顔をしたそれは

その命を容赦なく切り刻むようにして

楽しもうとしていた




残虐さはすべてその身に還り

やがて誰の眼にも映らなくなる

それが厳しき因果の理法

もう哀れみや容赦も捨てた




切り捨てる事だけが

自分にできる精一杯だと知ったあの日に

間違った選択など

一つとしてなかったのだろう

君の醜き姿は

怒りを通り越してしまうほど




その怒りさえ贅沢なものと感じる

こうして僕が何らかの思いを持っているけど

こんな思いを向けられる資格さえ

君には存在などしていないのだ

やがて消えゆく運命を前にして

取る態度がそれなのかい




こんなんじゃ僕が怒らなくたって

天の方が先に怒るってものだよ

やがて裁かれ朽ちてゆく

敗北者の烙印を永遠に捺(お)されながら