人は忘れろと言うだろう
でもこれは引きずっているのとは少し違う
出発点を失ってしまうという事は
これまで打ってきた布石まで全て
なくしてしまうことになるから
手放せないだけ
消してしまえれば
ハッピーエンドだなんて言うほど
簡単じゃない
下手をすればこの体ごと
ここから消し去る結果になる
自分が必然だと決めた事柄を
他人が動かすもんじゃない
この心が生きてんだ
この心に決めさせてくれ
お願いだから
全ての行動の根源でさえある記憶が
僕にもあり 君にもある
それは決して振り返りたくはないけれど
だからといってなかった事にしてしまったならば
足元から絶望へと突き落とされる厄介な代物
落とし前は自分でつけるしかないんだよ
忘れないという事が
人の心をどれだけ苛(さいな)み
秋霜(しゅうそう)の如く責め立てるか
僕も知ってる
だから「死」よりも「生」を選んだ君の道の色も
知っているつもりさ
それは涙の青と絶望の黒
怒りの赤に閃光の白が降り注いでいる
過酷な魂を持つ者誰しもが手に入れる色彩