「未完成」







未完成だからいい
そんな真実を
あなた以外に教えてくれる人なんて
どこにいるでしょうか


完成品ばかり求めては
失敗を繰り返す輩にも
煎じて飲ませてやりたい


初めから完成されたものなどありはしない
もしあったとしたなら
それは見せかけだけの偶像だ


全てのものが手を伸ばしただけで
手が届く場所にあるわけじゃない


それを分かったふりして
本当は分からないままだから
その歪(ひず)みから心の悲鳴が生まれていく
止めるのは何処かの誰かなんかじゃない


僕らさ


あの亡骸の冷たさを片時も忘れた瞬間などない
僕らなのさ