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「黒い炎」





全てを見透かすような眼でこちらを見ていた
たぶん 眼を逸らしたあの瞬間から俺は


負けていたんだ


その真っすぐな思いに


咎(とが)められる事でしか
感覚が満たされる事のなかった日々に
亀裂が入った刹那
心のどこかで開放を欲していた
恐怖以上に


鏡に映る自身が虚像の姿だという事は
本体である自分自身がよく分かっていた
羨まれる要素などひとかけらもないのに
黒い炎を向けられてばかりで辟易した頃
見抜いてくれたその眼


そうだ それが本当の俺だと
膝から崩れ落ちてしまいそうだった


力なく笑う笑顔は
今日という日から全く意味が違うものとなる


だって今日の俺には本当の自身を
分かってくれる人がいる