「隠された慟哭」



沈黙の中に隠された叫びほど

悲痛な慟哭もない



苦しみを別に

声に出さなくてもいい程度の人間ほど声にし

一番悲しみを声に出すべきあなたが

こらえて 押しこんで

声を殺してしまったの



こんな悲劇があっていい訳ない



こんな現実を許すことなんてできやしない

もっと伝えてもいいはずじゃないか



だけどこういう事も知っている

伝えた先に否定しか存在しない世界がある事も

誰に理解される事もない時間が驚くほど長い事も

言葉を託してもそのほとんどが

傷ついた歴史として心に残ってしまう事も――



ただね

分かってくれる人もいるから

それがたとえ今じゃなくても

君は頷いてくれる誰かに必ず出会って涙流す



僕も少しは分かるつもりだ

その心に抱えた重圧を



できる事ならすべてを聞きたい



僕は知っている

その悲しみがどれほどのものなのか

ただの励ましじゃ効かない事や

その励ましが心の痛みを増す事さえある辛辣な事実を



だから  もう大丈夫