あ
「improving」
もしこれ以上踏み出せば
全て失ってしまうような
一歩があったとして
僕は迷いなく踏み出せるだろう
だってもう全て失っているから
僕から何かを奪い取ろうとしても
その奪おうとする標的さえ
闇は見つけられない
暗闇自体が迷いこんでしまうほどの闇を
くぐり抜けた僕に
闇が敵うわけがない
その足すくむほどの差を
縮める事は容易ではない
手で振り払えば
霧のように消えるさ
もう飼いならしてる
自分の足音だけが
無限に響き渡る空間に
君は閉じ込められたことはあるか
他人が顔をしかめるほど
疑問視するものでも
僕にとってはたったひとつのものだった
世界中で己だけが知っている
そんな場所に身を置き続けていた
そこで聞く音は
ほんの小さな音でも増幅し
時に苦しみにさえなる
無理やりにでも
うつむく事をしなかったのは
自分が欲しいものは
自分で手に入れるしかない事
嫌というほど思い知らされてきたから
泣きながらでも
行動こそが全て
もう変わりはしないんだという
諦めと驕(おご)りを
笑顔と一緒に捨てただけ