「cut off」





自分の目の前が

すっぱりと切り落とされたような感覚

それがあの日の僕に

一番しっくりくる表現だったろう



目に見えない未来はあるのに

目の前の未来が見えなかった

すべてを失った気にもならなかった

現実を受け止めるだけのものを持つ自分が

悲しく感じた



もっとうろたえてもいいのに

もっと泣いてもいいのにと

もう一人の僕が伝えようとしていたね



空虚な気持ちを抱いたまま

ただ変わらない日常を送った

泣いたってどうなるわけでもない

そう思いながらも

涙が止まらなくなってやっと気付いた

確かに何かを失った事に



昨日まであったはずのものが今日ない

その中を生きなきゃならないね

それはきっと自分が消えてしまえば

その失った事実さえ消してしまう事になるから

それがどんなに辛くても

なかった事にはしたくない



なかった事にはできない



涙を抱えて今日も生きる



何かを絶やさない   

そのために