悲しみに手を浸してみれば
爪の先まで凍えるようで
それでもいつしか寒さが当たり前となり
何も感じなくなった
何も感じない素振りをしていた
その方が楽だと
そう思っていたから
怖い瞬間は眠りにつく前の一瞬
忘れられると思っていた
忘れようと必死になったすべての過去を
全て呼び起こしてしまいそうで
急に怖くなる
忘れないと決めたのが自分なら
苦しむのも自分だ
だけど悪い事ばかりじゃない
忘れない事を選んだこと相応のものは
手にする事ができた
その相応のものとは
誰かを思い 誰かのために生きるということ
人はこれを悲しみと呼ぶかもしれない
でも 私はそうは思わない
心が苦しみに苛(さいな)まれたとしても
君のために生きる事は
私の最大の幸福なのだから