「Ephemeral」






影のようになり果てても
なお生きようと決めたのは
ただそうする事でしか償えないと
直感で思っただけのこと


褒められたり
もてはやされたりなど言語道断
この悲痛な叫びを知るがいい


どんな思いでこれまで歩いてきたのか
どんな思いで運命を背にしたのか
許される事はないと知りながらも
変わりゆく友に涙する事だけ許された


この瞳も刃の切っ先となって心を刺す
しかし体は事切れる事はない
ただ この苦しみも
刹那に癒えた


微笑む事を取り戻せた一刻
これまでは疑問でしかなかった
なぜあんなにも寒さに耐えてまで
桜は咲くのだろうと


だが やっと分かった
散りゆくように欺きながら
桜は知っていたのだ


自らが永遠に咲き続ける事を


頭の中で俺の声がする時
少しでいい
思い出してくれれば
これほど嬉しい事もない