「Black angel」







信じてみてよかったと
心からそう思った


遠のく意識が残酷すぎると
君は言うかもしれないけれど
僕にとっては十分過ぎるほど幸せだった


君に最後に触れた時に感じた
冷たさへの償い


その涙だけを頼って
ただ生存を続ける体となったあの日
僕は悲しみそのものとなった


それでも人とは
光を見続けようとするもので
一雫(ひとしずく)に反射した光を
人知れず集めていた


器(うつわ)いっぱいになった時に
起こった奇跡は
「自らをすべて理解する存在に出会ったこと」


自分が泣いている事を
初めて気づかされた存在
君に出会うために
僕は生まれてきたんだと思った


これまでにない穏やかな気持ちで
僕はただ 君を見つめるだけで幸せだった