止まったままの静止画は
たちまちモノクロへと変化し
そして 朽ちてゆく
過去という写真が
燃え上がる勢いをじっと見つめる
その炎がちらつく瞳は
その火に未来を見ていた
写真が焦げゆく速さは
速いでも遅いでもなく
追憶の時間を
まるでくれているようで
その時間は
つかの間であるはずなのに
未来へと今を生きる覚悟を
くれるには充分だった
写真が焼けていく
その光景は
他にはちょっとない
特別な時間