あ
悲しみだけを抱いて泣く夜
この涙が何か美しいものを
生みだすというのなら
それもまたいい
あの日 見たものが
もし絶望の淵から見つめた
景色だったとしたら
案外暗闇のない平凡な風景
心だけが映し出す闇なら
そこからもっときれいな景色を探し出す
黒きダイヤモンドは
そこからしか生まれないというのなら
それもいい
雨のない所に
虹が架かる事はなくて
いつも僕は
苦悩だけが生みだす宝石を求めてる
休息を忘れた先にあるものは
それに見合っただけの賜物(たまもの)
甘く蕩けることだけを
虚ろな瞳で求めてみても
それは本物の甘美とは程遠く
比べる事もおこがましい
それは背負うものにしか味わう事のできない
逸れたものは永遠に出会う事さえない
悲しみだけと愛し合うのは
もう終わりにしよう 自分に告げ
その先にある結晶とだけ触れあう
時を止めるようにして
これで長い夜も怖くはないだろう
今 迎えたものは憂いとの終焉