あ
まるでそれは通る先の針を
見つけられずに彷徨っている糸
自分がやっている事の
重大さに気付けないという事は
こんなにも愚かで
こんなにも悲しき事
哀れという言葉はきっと
こんな時に使うために生まれたのだろう
紅い瞳に映る春景の兆しは
この眼に映っても
あの眼差しには映らない
なぜ こんなにもひどい……
絶句という言葉のみが
空気を漂うばかりだった
厳しさはやがてすべてを淘汰して
冬を乗り越えた桜だけの
花を咲かせていくのだろう
口先ばかりのあんなままじゃ
見るに堪えない 無知を悼むほど
無知に埋もれていくようで
傲慢の雪の中に埋もれたきり
花を咲かせる事の出来ない花もある事が
厳しい現実なら
その現実を受け入れる強さを
僕に……