「善し悪し」




無駄に人の良さだけ掲げて

全てのものを許すだなんて間違い



悪に対しては決して優しく

接してはならない時がある

じゃなきゃ食い殺されてしまうから



全てのものを愛すると言い

散ってしまうことは

誰のためにもなりはしないの



確かに「全て」という言葉を使い

全てのものに輝きがあることを

謳(うた)ったことはある



でもその「全て」の意味は

僕の中と一般的な響きとの間で

誤差を生じていたのさ



僕の言う「全て」は

許してはならないもの以外

全てということ



許してはならないものとは

それはつまり

「忘恩」の輩のこと



人として生まれ

最大に犯せる罪の名がこれならば

誰が他の基準を押し付けようとも

何が善で 何が悪かは

自分で見て 自分で決めるから