「約束」





星を見上げ滲む涙を止められない僕を
君は許してくれるだろうか


泣いちゃいけないよ、と君に言われ
泣かない事を約束したあの日
小指で交わした指きりの感触が
今でも離れないまま


あの温もりに嘘をつく事だけはしたくないと
口唇噛みしめる


側においで
いつか君にそう伝える資格のある人間になれるようにと
その事だけを胸に刻んで歩いてきた


僕の後ろから
僕を抱き締める君の手は
誰も責めてはいなかった


ただ涙を見ないふりしてくれていた


その優しさに
強くなるからと言った
後ろにいる君も泣いていた


その時気づいた
君を泣かせない
そのためだけに僕は泣かないのだと