「smile」





初めからこんな風に笑えたわけじゃなかった
むしろいつも泣いていた 心の中で


孤独と戦い 限りなく格闘していた
一人きりだという現実と


強いという事が
誰かと距離を取ることだと
思い込もうとしていた


その強さは偽(にせ)だったと知っても
そこにしがみつくことしか
思い浮かばなかった


いつからなんだろう
こうして笑って話せるようになったのは


自分でも分からない
ただ がむしゃらなだけだった


今を生きているという手応えさえ感じないほどに
瞬間を生き抜いてきた


気が付けばここに立っていたんだよ
そんなものさ


たくさんの脱落者を
この眼で見つめてもきた


残る事も 残らない事も紙一重
それが経験から学んだ実感


誰かの不幸の上に
自らの栄光を築こうとした途端に
つまづく事だけは確かだ


屍(しかばね)を踏み越えて今日も進む
力とは何か
自分が一番よく知っているから