「pardon」







ないよ。と僕は嘘をついた


最初で最後の嘘だった


核心に触れられそうになる度
はぐらかしてきた
一番怖い質問
それは生きる意味を問うものだ


少なくとも僕にとっては


全てを思いだしてしまうから
思いが溢れだしそうになるから
作り笑いで涙を隠す


でも心は知っている
なぜ自分がここに立っているのか
なぜ存在したい 在りたいと願ったのか


明確に言葉にできない事が
知らない事と一致するとは限らない


浮かぶ顔
まだ残り香を残す記憶
靄(もや)がかかったかのようだと思った途端
急に鮮明になるから
心の隙間を狙われているような感覚に
時に陥っている


君を忘れずに生きるという事は
悪い事ばかりじゃなかったよ
今はやけに景色が眩しく見えるんだ


許されていないと思っていたのは
僕だけだったのかもしれないね


やっと聞こえたんだ
君の声に乗せて伝わってくる懐かしい響きが


許してくれてたんだね