「strength」





この少し涼しさを運ぶ風が

悲しい思いとリンクする

あの頃の僕がぶつかっていたのは

突然の受け入れられない別れ




強がっていても

心の中では首を振り否定して

涙することしかできなかった

悲しみを隠して

心で慟哭する毎日




そんな日々を乗り越えた僕が

迎える秋の空気は

あの頃とは少し違っていた

切なさを運ぶ風を

手の上に乗せてもてあそぶ




少しは強くなれただろうか

秋にひとり問いかけた




微笑みをもって秋の中に立つ

その足は少し震えているけど

歩いていくにはちょうどいい




涙だけじゃ何も生まない

その決然とした思いは

間違っていなかった事を

確信する




弱さが人を引き寄せるのは

同情のある最初のうちだけ

人は強さにしか興味を持つことはないから

泣きながらでも進んできた

気付かないうちに泣きやんでいた




泣き寝入りはもう終わりにして

反撃開始だ

涙の刻印を持つ者よ