何が善で何が悪かなんて

難しい問題だけど

はっきりとしたその区別が

少なくとも一つはある







誰かを手にかけることだけは

何があっても認められないもの

分からないからって

その分別から逃げているようじゃ

あの手に誑かされてしまう








人知れず心を暗闇に

堕としてばかりじゃ

悲鳴さえも上げられない

その隠れた闇を見抜けるのは

明日を求める眼差し








希望を諦めるような声は

いくら正論に聞こえても

ごまかしきれない

いずれあの道は

後悔の涙だけが降りしきる









気付かれないように近づく

足音の正体は君自身

手を伸ばす先には

鏡の中に映る君

自分に自分自身を手にかけさせるような

命令ばかりの残酷を続けてばかり

引きずるものはその足だけで 

もう充分だから










砕けた邪な欲望は

何も残さないまま

空を流れていく

自覚さえない罪は

苦しみを生まないのだろうか










他のものがいくら症状を伝えてきても

これだけは深ければ深くあるほど

自覚症状を生まないまま沈黙し続けること

覚えもないほど昔に知ってた気がする







決着というものがあるとするなら

それはいつの日か迎えなきゃならない

厳しい一瞬







その日僕は 何を思うのだろうか