情熱とやらを

忘れかけたフリをして

冷凍してしまった気さえした








それでもどこかで

その事ばかりを思っては

みるみるうちに溶けだして

雫を落とす







決意の涙のように









歯を噛みしめるような

出来事に出会っては

泣いていたのは

この情熱を氷の中から

解放するためだったのでしょうか









泣けば泣くほど

何かを手に入れられたのなら

そんな遠くへの問いかけに

やがて情熱も目を覚ます











もてあそんだような

なめてばかりの情熱ばかりが

ころがっている昨今だけど

ガラクタが見抜けないなんて

誰も言ってない










物事っていうのは

何事も引き際が肝心だなんて

まだ少しでも声が届くかも、なんて

自分ってほんと優しすぎて嫌になる

そんなこと考えているんでしょう?

でも そんな君は

その不器用な優しさそのままで

いてくれれば十分










そう何もかも変わっちゃあ

伝わるものも伝わんない










すべてが変わりすぎた気がするものだけど

底の方は何ひとつ変わってなんかいなくて

すべてが移りゆくと

その流れにもたれかかって

いい気になるのなら








僕に背を向けて









高をくくっていられるのも今のうち

真っ直ぐに歩けないその心は

すぐそこにだって逃げ切る事なんて

できないだろうけど










勘を取り戻した情熱の元では

もう霞んで見える

そして そのうち消えてなくなる











この情熱の炎の灰と化し

それはもう二度と

不死鳥のようには蘇らないまま 







風の塵