こどもの日が自分の日でなくして

微笑み見つめる日になったのは

いつからでしょうか



未来を託すのは

彼ら以外にないのだからと

そんな最敬礼するような気持ちが

芽生えるようになったのも

子供の頃 こんな気持ちで

触れてくれる人は

限りなく少なかったからなのだろう



つかの間のオアシスのように存在する

5月の黄金週間に

子どもたちが帰ってきた



その笑い声を つい最近まであげていた僕は

いつしかその笑い声を受け止める側へと

変わっていた

この変化は 決して悲しい変化ではなく

自分も子どもたちと共有できるなにかを

まだ持っていられるという確認をするようになった

喜ぶべき変化



あの子どもたちの声に何を託そう?

ゆらゆらゆれる こいのぼりを見つめて

はしゃぐあの声に



ふと レジ横に置いてあった

こどもの日が近づいた時期にだけ置いてある

たわいもないこいのぼり付きの菓子箱に

目が止まる



そうだ

これを手にする資格を

彼らに託そう



一番しっくりくる答えを胸に僕は

あの頃と変わらない自分と

あの頃よりも強くなった自分を連れて

新たな思いを胸に 歩きだす



近くに屋根を越えるほどの

こいのぼりはないけれど

そのゆらめきが

そっと背中を見守ってくれてくれている

そんな気がした