タイミングを計ったかのように満開の桃
知らぬふりして きっと
あの桃の花は知っていたんだ
今日がひな祭りだということを
3月3日の桃の節句だという事を
そう名付けたのさえ
人と見せかけて実は
季節そのものなのかもしれない
毎年飾る雛人形を見つめる気持ちも
時が経つにつれ 子供の時分よりかは
やや複雑になることに
自分自身戸惑ったりした
それでも飾りたいと駆り立てられるのは
やっぱり何か大切なものも
得られる気がするからかな
毎年いつでも変わらないものの一つに
この人形も 数えられる事に気付いた
ただ無邪気だった事のひな祭りも
ちょっぴり懐かしい気もするけど
色々世の中の事を知ってしまった後のひな祭りも
けっこう悪くない
この冬から春の節目を
春の訪れを告げる行事を
君ならどう過ごしますか
せめて心だけでもお祝いの気持ちを込めたなら
何かを得られるはず
幸福の種を植えるチャンスに
春への準備を始めよう
幸せはそんなに簡単なものなのか?と
みんなは言うけど
僕は日本を感じる事を
3月3日を大切にしたい
新たな気持ちを創った後に
自分にも春が来る事を知る
お内裏様(おだいりさま)と
お雛様にも色々あるさ、と
どこか現実を重ねてしまうけど
それを引き剥がし
花咲き果(このみ)なる未来が来る事を
心から信じられた
この時代にも光がある事を
信じる事ができた
そんな華やかで優しい桃の節句に
この詩(うた)を