あ
風が吹き抜ける
柔らかさを運ぶはずの春一番は
少しのひやりとした空気も運んでいた
でも その冷たさは
とても心地のいいもので
頬をかすめていく
手に取った風は
冬と春の狭間で
くすぶっていた