逃げ道ばかりを確保し続けて

それ故に 

自分が進むべき道を

守る事を忘れた 




冷たく閉じた進むべき道は

ただ沈黙だけを守ったまま 

じっと動かない 




立ち止まる足元は 

まるでベルトコンベアに

乗せられたかのように

後退していく 





これは他ならぬ人生は

そんなに甘くはないと言った人の足元

仮面を剥ぎとってみればちっぽけで

取るに足らないどころの

騒ぎでもなくなった





私にも君にも逃げ出したくなる瞬間がある 

非常口のドアはいつも解き放たれているけど 

そこをくぐった事はなぜか ない 




泣きごともたまにあるけど

泣きながらでも

前に進んできたよね

誰が褒めてくれなくても

君がそれを見ていてくれていたから

それでいいんだ





一方 足を止めて 

非常口にも駆けこめなかったあの人は 

そんな些細だけれど大切な喜びを分け合える事もなく 

まだ後退を繰り返してる 

足を動かせばと言われても 

聞く耳なんて持てやしなくて




こんなことになるぐらいだったら

「人生はそんなに甘くない」と

言うより言われる側でいて

よかったとさえ思えるよね

私達はそんな言葉に

かまってられるほど

暇じゃなくて




毎日忙しくてしょうがないの

そんなことをしているうちに

ずいぶん遠く小さくなった

心配しなくても 

あの声が届く事はもうないから 



意外にこの世界は

素早く変化し続けているものだから