夕日に晩年を若くして重ねるのか

晩年に夕日を見つめ若きを思うのか

そのどちらでも

夕日はいつの日もこちらを見つめている









それなのに僕らはいつしか

夕日を見つめることを 

忘れてしまっていた……









外に出て見つめることが難しくても

心の中にその沈みゆく太陽を

浮かべることはできるから









毎日同じ夕日に見えても

本当は 今日の夕日は

今日にしか沈まないから










秋を失ったような今でも

この季節の澄みはじめた空気に

沈むオレンジは

秋を感じさせてくれる










こんな事に心を向けて何の価値になる?と

お金の勘定ばかりを気にする今だけど

こんなに小さな些細なことから

思わぬ道が開けたりする

何かを少し変えるのは

こんなにも楽しい











遠回りが実は近道だったって経験

誰にだってあるでしょう?

なんてことない日常にも

耳を傾ける先は

目を向ける先は

いくらだってある










律義の故に

損をしてしまう事ばかり続いても

その糸はどこかに続いているはず













真・面・目の三文字を

捨て去ることなんて

実にたやすい昨今だけど

だからこそ その文字

抱きしめてみるのも

面白いかもしれない